果たして努力は実るのか DAY53




先週の土日はセンター試験でしたね。

1年に一度、この試験を皮切りに受験ムードに拍車がかかります。

…と思ったら終わってる!なんていうのが受験です。

私は塾講師を始めた2015年から、毎年センター英語を解くことが楽しみのひとつになっています。

高校生にとっては嫌な日かもしれませんが、私にとってはどのような問題が出題されるのかワクワクする日でもあります。

そして、センター明けは講師同士で試験問題と傾向について話すのが恒例行事。

ということで、本日は受験についてのお話です。

私が受験前に行われる模試解説で生徒達に話すこと。

私が黒板の前に立ち、生徒の顔を見ながらまず初めに言うことがあります。

「あなたたちの中にはこれから受ける試験で必ず合格する人がいる。しかし、不合格になる人もいる。」

そうなんです。

当たり前かもしれませんが、受験という試験がある限り、合格する人、不合格の人は必ずいます。

しかし、本当に大切なことは合格、不合格だけでは決して無いのです。

一生懸命頑張って、その結果受かった人。

一生懸命頑張ったけれども、落ちてしまう人。

一生懸命頑張らなくても、受かった人。

もちろん、皆さんに合格を目指してほしいですが、結果を見た時にこの2つの言葉、「合格」「不合格」だけで惑わされないで欲しいと思っています。

一年前、受験生を主に担当していました。

そこには双子の姉妹で塾に一緒に通っているが生徒がいました。

その子たちはどこにでもいるやんちゃで少し生意気な女の子。

彼女たちにとっての志望校は当時の彼女たちの偏差値からみてもレベルはかなり上で、受験をするとしたら努力をかなり要するものでした。

しかし、「ここへ行きたい!」という自分達で決めた志望校への固い意志があり、目標に向かって真っすぐに立ち向かう生徒達でもありました。

学校がある日は夜9時には寝て、毎日朝4時に起きて勉強するんだとか。(因みに早く起きれたほうがもう片方を起こすんだそう)

そんな訳か、塾での授業がある日は8時を過ぎると眠そうにしていたことを覚えています。

そして毎日科目ごとのスケジュールも立てて一生懸命勉強をしていました。

冬期講習期間には学校がもうないからと毎朝1番に塾に来て、塾が閉まる最後まで自習。

自習室でひそひそと2人でよく話していた姿も。

私を慕ってくれていたということもありますが、毎日のように私に問題のコピーや問題集の貸し出しを頼んだり、質問をしてきたり、ただ話しにきたり…。

私は「とにかく宿題が多い先生」として知られているのですが(笑)、私が出した大量の宿題や小テストの勉強も怠らずにやってきます。

授業中ウトウトすることや、集中力がプツリと切れて私の授業を聞かなくなったり、雑談で授業を食い止めようという試みも多々見られましたが…(笑)

そして、受験前の全ての授業が終わった日。

私自身も「やりきった!」といった気持ちでいっぱいでした。

彼女達を一番最後に見送り、思ったこと。

もう十分、十分すぎるほど頑張っているのにこれ以上どんな言葉をかければいいのだろう。

「頑張れ、頑張れ、頑張れ…!!」

心の中で一生懸命叫びながら、何のためかも分からない涙を流しながら冬の寒い道を歩き、帰ったことを思い出します。

受験日が過ぎ、合格発表の日。

まだ第2志望の受験が残っていたということもあり、合格していても、不合格でも塾に来るということを約束してくれていました。

そして、彼女達が塾に。

結果は、「不合格」。

悔しそうにしている姿、しかしそれを隠そうと私にいつも通り生意気に話してくる姿、忘れません。

そんな彼女達にかけた言葉。

「今ここでこれだけ頑張れた人間は、これから何があっても今以上に頑張れる。苦しいけど、苦しい時こそ、必ず学びがあり、その学びはあなた達を必ず助けてくれるからね。ここまで本当によく頑張った、あと少し、気を抜かずにいつも通り、頑張れ!」

彼女達は、笑っていました。

後日無事第2志望に合格、笑顔で合格の報告をしてくれました。

何故彼女達がそんなに頑張れたのか。

それは、「この学校へ絶対に行きたい!」という自分で決めた意志の強さからきているのでしょう。

本気で立ち向かう、という真剣な気持ちを持って前を見据えていました。

人間、何歳でも本気でやりたい!と思えば意外と出来ちゃうものなのです。

結構頑張れちゃうんです。

そのうち、真剣になっていつの間にか一生懸命、無我夢中になっていたり。

後で思い返すと、「必死でやっていたんだな~。」なんて気づいたり。

努力は結果とは結びつかないかもしれない。

でも、努力をした自分、頑張れた自分は未来の自分をきっと支えてくれるはず。

必死で走って、何度も転んですりむいて、それでも前を向かなきゃいけないの!?

もうやだ!!十分!!やりたくない!!

それでいい。

そんなんでいい。

そんなもの。

その「嫌だ!」「やりたくない!」には意味がある。

意味のある不合格、のように。

(もともとwomenfrontierで書いていたものを転載しています。日付は筆者が当該サイトで投稿した日に設定してあります。)




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ABOUTこの記事をかいた人

オンライン英語塾、EFL英語塾を経営。埼玉・東京一部エリアで家庭教師も実施中。英会話や英文法、学校補習を小学生から社会人まで全国幅広く指導。成績や偏差値だけで人間の価値は決まらない。英語を通して自分に自信をつけていく塾であるようにという想いから生徒と向き合っている。「私らしく、面白い人生を歩む」がモットー。