同僚の知り合いに個人経営の貴金属店のオーナーさんのお話。
このオーナーさんは千葉県の某所で長年(30年以上)経営されている。
かつてはショッピングセンターでインショップ店舗で商売していたが、バブル期に勢力を拡大していた某貴金属チェーン店が目の前に出店してきて、高値の正札をつけて、50%オフの赤札つけていかにもお得な印象を与える戦略でお客様を獲得していた。オーナーさんの店舗に来られるお客様も「どれくらい値引きしてくれるの⁈」と店舗に来られ、悔しい思いをしたが、「私は真っ当な商売でやっていく!」と誓ったそうだ。
そのチェーン店も長くは続かず、撤退、ブランドごと無くなっていったそうだ。
やがて、ショッピングセンター自体が老朽化でクローズしたのをキッカケに駅前の貸店舗での営業をしていた。
貸店舗も色々制約があったりして自分の思い通りに行かない事が多かったらしい。そこでオーナーさんは自分のお店を建てる事にした。自分の思い通りに作ったステキなお店は、駅から離れた、車でしか行けないような場所で、いわゆる不便な場所。
周りに何もないから、「ついでに来た」と言う場所ではない。
普通なら駅前立地の人通りのある賑やかなところ…と思うのだが、あえてこの場所だったらしい。
オーナー曰く
「お客様は商品を見に来るのと同時に、”私に会いに来てくれている”のよ。だから私はお買い物以上のお土産(物ではなく)を持たせて帰らせる。絶対損はさせない。だから、ついでに寄れるような場所じゃない方がいい。私に会いにくるお客様を笑顔でいっぱいにしてお帰り頂く」
すごい哲学だと思った。
貴金属、アクセサリー店も多種多様な店舗がひしめき合っている。チェーン展開店舗の財力での価格競争には個人店はかなわない。
個人店が生き抜くには何が重要か。
人間力。このオーナーのいう事なら間違いないという信頼関係。
セラピスト業界も同じだ。
国家資格を持つ施術家。その業界の各種団体認定セラピスト。何もなくてもやってる人。
それぞれ個人店、大手色々ある。
価格もピンからキリまで。技術もピンキリ。
価格は安い方がいい。だけど技術は高い方がいい。
お客様はどこに満足して代金を支払うのか。
何を求めて施術やセラピーを受けにくるのか。
このオーナーさんが言うように「私」が一番のキーワードだと思った。
この施術家、このセラピストのところに行きたい。この人に会いたい。そう思わせるセラピストになりたいと思った。
「みんな私に会いにくる」
オーナーさんの心意気。シカト受け取りました。どんな人か会ってみたい(笑)